化学工業日報(2025年11月4日付)に掲載されました 手塗り1液型ポリウレア

漢博は、機械メ-カ-のモリマシナリー、再生溶剤メーカーの堀川化成及び中国・ポリウレアメーカーの青島聚合四維科技有限公司(以下、Polys-v社)と共同で手塗り1液型ポリウレアを開発した。脱炭素に貢献する素材として注目を集めるセルロースナノファイバー(CNF)とポリウレアを組み合わせることで、防水性、塗膜の強度アップ、耐摩耗性及び-5℃から40℃での塗布作業性の同時実現を達成した。

モリマシナリー(岡山県赤磐市)は、冷間ロール成型機や製薬用打錠機などを主力とするメーカー。自社開発した専用の製造機械でCNFの製造を行っている。製品形態は、水分散体が主体のため、溶剤リサイクルなど蒸留ノウハウをもつ、堀川化成(大阪市鶴見区)が、CNFの溶媒を水からアルコールに置換する技術を開発。CNF自身は、疎水化処理をしておらず、特殊な方法でアルコール置換を実現した。各種芳香族溶剤、ケトン系溶剤をはじめエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ゴムへの相溶性を高めた。CNFを樹脂に均一に分散すると網目構造を形成し、強度向上効果やチクソ性を発揮するとされるが、モリマシナリーのCNFは繊維長が長いため、少量でこのネットワーク構造を形成できる。

Polys-v社は、中国の山東省青島市に位置し、とても開発に力を入れている企業で、2液型のポリウレア製品でも日本のユーザーへの採用も増えてきている。

ポリウレアの場合、大型のスプレー装置による2液型のポリウレア製品が展開されており、橋梁のコンクリート部分の剥離防止、化学タンク、屋上防水等で、厚膜防水のポリウレタンの高機能グレードとして徐々に市場が増えてきている。

ただし、高価な設備が必須のため、大型の工事に限られ、施工費用も高額となるため、小規模物件等では、手塗り可能なポリウレア開発が顧客の間では待たれていた。

この度、ポリウレアにCNFを添加することで、作業性の改良、塗膜の強度アップ、耐摩耗性の向上等の機能が付与された手塗り1液型ポリウレアの開発に目途が経った。

こちらの商品も11月12日~14日に幕張メッセで開催される塗装展のモリマシナリーのブース内において展示予定とのこと。