化学工業日報(2026/6/30付け)に全国ポリウレア協会設立の記事が掲載されました。

2液手塗りポリウレアで市場開拓

タイル剥離防止に新工法 全国日本ポリウレア協会設立へ

中国製品を軸に普及推進 発起人に新井・宮島社長ら 漢博が商社機能担う まず6社で立ち上げ

【ポリウレアとは】 イソシアネートとポリアミンの化学反応で生成されるウレア結合を基本とした樹脂化合物。防水性・耐薬品性・耐摩耗性・耐熱性・防食性において非常に高い性能を発揮するライニング材で、対象物の強度を劇的に高める特性から、インフラ防護から建築物の維持管理まで幅広い用途への応用が進んでいる。

 建物の外壁や床面を覆うタイルの剥離・落下事故が社会問題となる中、その抜本的な防止策として「2液手塗りポリウレア」を活用した新工法の普及に向け、業界団体「全国ポリウレア協会」の設立準備が進んでいる。主力製品は中国・Polys-V社製のポリウレア塗料で、スプレー式の大型機材を必要とする従来のポリウレア施工とは異なり、2液を混合して手塗りできる点が最大の特長だ。特殊な設備投資なしに既存の塗装業者や防水業者がすぐに導入できるため、施工の裾野を大きく広げられると期待されている。

 協会設立の発起人となるのは、コンサルティング・事業開発を手がける企業の代表と、建設・リフォーム関連事業を展開する企業の代表の二氏。これに加え、立ち上げメンバーとして、防水・塗装工事を手がける株式会社イントの新井社長、内外装、金物、塗装など総合建築業のみや玄の宮島社長も参画する。各社長はポリウレア技術の将来性にいち早く着目し、日本市場への本格展開を共同で推進することで合意した。また、Polys-V社と日本の事業者の間に立つ商社機能は漢博が担い、製品の安定供給と品質管理の面でサポートを行う体制を整える。漢博では二重作副社長が同事業の推進役を務め、輸入・流通ネットワークの構築と品質認証取得を主導する。

 当面は施工業者や建設関連会社など6社での立ち上げを行い、全国400~500社への展開を目指す。参加各社に技術研修や施工マニュアルを提供するとともに、協会として品質基準や施工基準の策定にも取り組む方針で、業界全体の信頼性向上を図る。軌道に乗り次第、会員数を段階的に拡大し、全国的な普及体制の構築を目指す計画だ。

ポリウレアの技術的優位性

 ポリウレアは耐久性・耐水性・耐薬品性に優れた樹脂素材で、欧米では橋梁・トンネル・貯水施設などの防水・防食分野で実績を積んできた。日本でも近年、インフラ老朽化対策やマンション外壁の維持管理ニーズの高まりとともに注目度が増している。とりわけタイル張り建物の剥落対策は、建物オーナーや管理組合にとって喫緊の課題となっており、既存のエポキシ系塗料やウレタン塗装に比べてポリウレアは強靱な被膜を形成できる点が評価されている。

 Polys-V社の2液手塗りタイプは、ポリアミン成分とイソシアネート成分を現場で混合し、ローラーや刷毛で塗布する仕様。硬化速度と作業性を両立させた処方設計が特長で、立面・曲面への追従性も高い。中国A社はスプレー式のポリウレア製品でもすでに実績を持つメーカーで、今回の手塗りシリーズはその技術を応用して開発された。

関係者コメント・今後の展開

「タイル剥離による人的被害を防ぐことは喫緊の社会課題だ。ポリウレアはその解決手段として最も有力な選択肢の一つであり、協会を通じて施工品質の標準化と技術者の育成を進めたい」

──協会発起人(コンサルティング・事業開発)

「現場目線で見ても手塗りポリウレアの施工性は際立っている。既存の塗装・防水業者がすぐに使いこなせる技術として、業界への普及を積極的に後押ししたい」

──株式会社イント 新井社長

「内外装・金物・塗装まで手がける総合建築業として、ポリウレアは既存事業との相乗効果が非常に高い。多様な現場で即戦力となる技術として、協会を通じた全国展開を力強く支えていきたい」

──みや玄 宮島社長

「手塗りという施工のしやすさが、普及の大きな鍵になる。まずは6社で実績を積み、確実に市場を広げていきたい」

──協会発起人(建設・リフォーム関連事業)

 漢博の二重作副社長は、既存の輸入・流通ネットワークを活かし、製品供給の安定化とともに技術サポート体制の整備を主導する。製品の品質認証取得や行政への働きかけも視野に入れており、国土交通省が推進する外壁改修基準の改定動向とも連動させながら普及活動を展開する意向だ。

 協会では入会を希望する施工業者・建設会社・不動産管理会社などの問い合わせを受け付ける予定で、設立は6月末を目標に準備を進めている。